α世代(アルファ世代)の特徴|研修設計のあり方

人事

アルファ世代とは、オーストラリアの人口統計学者マーク・マクリンドル(Mark McCrindle)が2008年に定義しました。2010年頃から2025年(具体的な年代の定義はない)に生まれた世代、21世紀以降に生まれ育った最初の世代です。

日本では「団塊世代」や「ゆとり世代」、「さとり世代」などと言われていますが、海外発信の世代名称になります。

ブログ管理者はこれまで500人近くの人材開発に携わりましたが、今後アルファ世代が働き手をなるさい、私達オトナがどのように彼らの成長に寄与できるのか、人材開発・人材育成の観点から考えてみます。

この記事の紹介
  • Z世代とα世代の研修設計のあり方
  • VR研修の効果は期待できるのか

アルファ世代とは何歳から?Z世代との違い

アルファ世代、Z世代、generationAlpha、generationZなどのを図解した結果
定義が曖昧なので年表を独自に作成(ブログ管理者調べ)

上記画像は、各世代の開始と終了期間、そしてネット上で記事にされている割合を「大きさ」にして図解化しています。「しらけ世代」や「つくし世代」など、いまいちピンとこない呼称もありました。

ブログ管理者の私自身は、ゆとり世代に入る少し前に生まれていますが、今の会社では「バブル世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」「Z世代」と呼ばれる4世代が混合している状態です。

バブル世代の高スキル所有者が中途入社するケースもあり、様々な年代の人との円滑なコミュニーケーションが求められています。

Z世代とα世代の研修設計のあり方

初代iPadが販売されたのが2012年11月2日です。もう10年も前の話になります。今では小学校でタブレットが配布され、学校教育の一貫としてデジタルに触れることが増えました。

デジタルネイティブと呼ばれるZ世代が新社会人として活躍し始める現在、研修設計はどのようにあるべきか、ブログ管理者の考えを説明。

Z世代の特徴と研修設計のあり方

Z世代の特徴

接客業や配送業といった、直接人と人の関わりを持つ業務以外は、リモートでの研修が実現されましたね。今ではAdobeCaptivateのようなソフトがあれば、プログラミングの知識がゼロでも簡単にEラーニングコンテンツを作成できる時代にもなりました。

リモートと集合研修の大きな違いは、受講者自身が学ぶ姿勢をもって取り組めるかという点です。研修設計マニュアルに記載されていますが「大人は本音を暴露しないもの。熱心に聴いたふりをすること得意」です。

個性や自分らしさといった多様性を大切にするZ世代は、昭和や平成初期のような「全員で同じことをする」といった教育課程を経てきていません。

彼らには、「学習したいことを自ら選択し、自走できるように、学習環境を整えること」が人材育成の現場では必要になります。

学習環境の整え方

ビジネスパーソンとしての基礎的な範囲か、それぞれの現場で必要とされる専門的な範囲か。エキスパートと呼ばれるようなハイパフォーマーに必要な応用的・創造的な範囲かによって整え方が変わります。

人事が制度として用意すべきは「基礎的な範囲」のみで問題ないと考えます。というのも、研修の目的は教えることではなく、学習する本人が「自ら学ぶ」ことを手助けすることだからです。

会社に学習する文化を拡げることができれば、あとは自走する社員がお互いに助け合いながら知識を深めあってくれるようになります。

α世代の特徴と研修設計のあり方

α世代の特徴

2010年以降に生まれ、AIやハイテクを好み、多様性に寛容であり、既成概念を嫌う。そして、どの世代よりも高い教育を受けているといった特徴があります。

学習環境の整え方

今後はVRの分野が一般化し、企業内研修でも導入する会社が増えてきます。AIやVRに抵抗がない世代へは、今後の学習環境にVRの整備が推奨されていくでしょう。

この動画では世界的なスーパーマーケットのチェーン企業「ウォルマート」がVRで接客トレーニングを実施している様子です。仮想現実で、実際には体験できない研修も実現できています。

他にも、JR東日本でもVRでの研修が導入されました。VRを使うことで、現実的には研修で再現できない事故を疑似体験できるというものです。

VR研修の効果は期待できるのか

研修には色々な方法があります。

研修の種類
  1. マニュアルを読む
  2. 動画学習コンテンツを視聴する
  3. 講義形式の集合研修を受ける
  4. OJTで現場指導を受ける
  5. 1対1での研修を受ける
  6. 人に教える

1から6になるにつれて、学習効果が高いです。これはラーニングピラミッドの考え方とイコールだと思っています。

VRの研修は「4.OJTで現場指導を受ける」と「5.1対1での研修を受ける」の間に位置することが可能だと考えます。

1〜3は、学習者自身がどれだけ「学びたい意欲」があるかに左右されてしまいますが、4〜6は参加型なため、強制的に学びの場の主役となります。特に「6.人に教える」というのは、学習者自身が学んだことを人に教えるため、インプットとアウトプットの相乗効果が絶大です。

VR研修は、仮想的な環境でありながらも、学びの場の主役をなり得る状態を作れるため、とても高い学習効果が期待できます。

人材育成コストの面から考えてもVR研修は優れている

アメリカでは「大退職時代」という言葉が流行していますが、コロナ化で価値観が見直され、リモート環境で働くことが物理的に不可能な職種の人が次々を退職しています。

多様性が重視される現代では、より働き手が自由に仕事を選べる時代がきます。そういった時は働き手に十分に育成するための人員がどうしても確保できなくなります。

VR研修コンテンツは一度作ってしまえば、それを繰り返し使えるため、研修コストも必然的に抑えることができるわけです。実践さながらの体験を「低コスト」かつ「高効果」が期待できる唯一の研修方法です。

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