高卒であっても、学歴にコンプレックスを感じる必要がない時代になりました。大学を卒業していなくても、十分に稼ぐことは可能です。
高卒で未経験のエンジニアの求人はあります。たとえば某求人サイトの場合「高卒」「エンジニア」「未経験」で検索すると24社(2022年6月現在)以上ヒットします。更に未経験者で条件を絞っても募集している会社があります。
この記事では、自社開発エンジニアの採用人事業務を担当するブログ管理者が、ここ数年で変化してきたエンジニアの採用事情を紹介します。
高卒で、未経験でもエンジニアに挑戦したい!そういった方を背中を押したいです。
エンジニアは高卒だと厳しいというわけではない
高卒でもエンジニアになることは十分可能です。その理由についてはいくつかありますが、ここでは3つ紹介します。
IT業界のエンジニア需要が増えている

画像は経済産業省の委託事業を行う、「みずほ情報総研株式会社」の調査報告のデータです。2018年のIT人材需要は120万人でしたが、この時点ですでに22万人の供給が不足しています。
学歴でなく実力主義・適正重視の業界
エンジニアは学歴重視ではなく、実力主義で考える企業が多いです。その理由は、ITに関わる技術の進歩スピードが早いことが上げられます。
営業のノウハウや、マネージメントスキルなどと違い、新しい技術が次々を生まれ、それに追いつくために勉強し続ける力がエンジニアには求められます。
そのため、大学や大学院で勉学に励んでいたかどうかより、現時点で備わっている技術に注目されます。
DX化を推進するために開発者の売り手市場
「IT導入補助金」や「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といったDX化推進のための補助金制度も増えてきています。
たとえば、バーチャルオフィスといった、オンライン上に擬似的なオフィス空間を作るサービスや、オンライン会議システムなどが続々を増えてきていますよね。特にHR(人事労務系)のクラウドサービスはテレビCMをバンバン出すようになり、競争が激しくなっている印象です。
SaaS戦国時代に入り、後発ベンチャーでは開発者の採用を急いでいますので、エンジニア職は今後も売り手市場の傾向が長く続きます。
ハローワークの職種別求人倍率
2021年1月の東京ハローワークのデータによると、コロナ拡大の要因で全体の有効求人倍率は1.38から1.07にまで落ち込みましたが、情報処理・通信技術者の職種では1.99に留まっています。
不況が続く中でもITエンジニアへの需要は高く、他職種よりも仕事を選びやすい仕事であることがわかります。
高卒エンジニアだと厳しいという意見も
高卒に限った話ではなく、エンジニア業界で長く生き残り続けるには厳しい業界でもあります。その理由は多重下請けの構造がひっくり返ることがないからです。
多重下請け構造による問題
近年はIT人材の不足や給与の低さなどが大きな課題として浮上しています。背景には日本特有の多重下請け構造にあります。
多重下請けの構造は建設業界のゼネコンでも見られるため、一概に悪いということはありませんが、IT業界で働く従業員をみると、労働環境の悪さに直面する人も多いようです。
画像のように「3次請け以下」の会社に所属するエンジニアは、自社開発ではなく受注開発が一般的であり、納期を最優先した考えの中で成果物の納品を迫られます。こういった環境では労務管理や勤怠管理が杜撰になるケースが多く、心身ともに疲れ切ってしまうエンジニアが跡を絶ちません。
エンジニアの業務別の平均年収
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で好評されてるシステムエンジニアの平均年収は556万円です。
エンジニアといっても、たくさんの種類があり、マイナビ調査による2021年版職種別モデル年収平均ランキングでは、こちらになります。
1位 システムアナリスト | 1,635万円 |
2位 システムコンサルタント(営業系) | 1,024万円 |
3位 プロダクトマネジャー(パッケージソフト) | 837万円 |
4位 セキュリティコンサルタント | 788万円 |
5位 システムコンサルタント(ネットワーク・通信) | 744万円 |
6位 パッケージ導入コンサルタント(ERP・CRM等) | 679万円 |
7位 通信設備計画策定 | 673万円 |
8位 プロダクトマネジャー(Web・モバイル系) | 658万円 |
9位 プリセールス・セールスエンジニア | 633万円 |
10位 社内情報化戦略・推進 | 621万円 |
エンジニアのスキル別の平均年収
経済産業省が発表した「IT関連産業の給与等に関する実態調査結果」では平均年収は以下のようにスキル別で変わってくる結果になりました。
レベル1 | 新人、初心者、仕事になれ始めたレベル | 437万円 |
レベル2 | 上位者の指導のもとに仕事ができるレベル(若手) | 499万円 |
レベル3 | 独力で仕事ができるレベル(中堅) | 576万円 |
レベル4 | 部下を指導できるレベル(リーダー) | 726万円 |
レベル5 | 社内での指導者レベル(幹部) | 937万円 |
レベル6 | 国内で著名なレベル | 1129万円 |
レベル7 | 海外で著名なレベル | 1129万円 |
高卒のエンジニアのキャリアアップ先
高卒で高収入を目指すには、多重下請け構造に埋もれていては不可能です。キャリアアップにつながる道を3つ紹介します。
管理職の道を目指す
プロジェクトのリーダーとして、上流工程を管理する立場を目指すことができます。スキル別の平均年収で見たとき、リーダー職となるレベル4では年収700万円を超えます。
リーダー職は、エンジニアとしての一流の技術が必要なわけではありません。それよりも、上流工程を管理するための時間管理、交渉力、調整力といったスキルが必要です。
外部委託(フリーランス)として働く
フリーランスでの平均年収は700万〜1,000万円ほどで、企業に所属するよりもフリーランスになったほうが稼げると言われています。
ただし、フリーランスでは案件を獲得できるかどうかに関わるため、自分の魅力づけになるスキルを備える必要があります。
プリセールスエンジニアを目指す
プリセールスエンジニアとは、営業に同行する「ITの専門知識や技術的スキルを活かした提案の専門家」です。
転職サイトdodaの調査結果によると、プリセールスの平均年収は625万円です。営業全体の平均年収は440万円なので、比較するとかなりの高い報酬を得られる可能性が高いです。しかし、その分専門的知識を有している必要がある職種でもあります。
高卒がエンジニアになるために必要なスキル
エンジニアになるための必要なスキルです。
- ITスキル
- プロジェクト管理能力
- コミュニケーション能力
- 論理的思考力
- 開発環境に応じた技術スタック