新しい上司のもとで働くことになったけど、「言い方がムカつく」「偉そうで嫌だ」「仕事が遅い人の気持ちが分かっていない」こんな風に困っていませんか?
以前の上司と同じような指示を出されても、好きな上司と嫌いな上司とでは自分の態度が変わってしまっている気がする…。人間ですから、どうしても抑えられない気持ちは誰しもがあります。
私も昔に働いていた会社で、言葉遣いが乱暴かつ感情的な上司がいて、まったく好きになれませんでした。それでも不機嫌な対応にならないよう心を削り、会社に行くのが嫌になった経験があります。
この記事では、嫌いな上司を7つのタイプ別で分け、それぞれの対処法を説明します。
- 上司が嫌いな理由を整理する
- 上司のタイプ別の対処法
- それぞれのタイプの良い一面
- すべてに当てはまる対処法
上司が嫌いな理由を整理
上司が嫌いだという態度が出てしまうには理由があるはずです。あなたの上司はどのようなタイプでしょうか?タイプ別の対処法を押さえておけば、仕事と割り切った関係で上司と接することができます。
それぞれの対処法と良い側面
簡易的な表にするとこうなります。詳細の説明は、下にスクロールしてください。
対処法 | 良い一面 | |
感情的タイプ | 関わる時間を減らす 極力2人きりにならない | 気持ちに正直 裏表がない性格 |
体育会系タイプ | 頼りにしていることを 態度でアピールする | 人情があり温かい 頼られると頑張る |
馴れ馴れしいタイプ | 過度な敬語は避ける 自己主張する | 親しみやすい |
責任逃れタイプ | 共通認識を同僚と共有 オープンな環境で報告 | なし |
好き嫌いで接するタイプ | 考え方を変える | 直感での判断が早い |
仕事ができないタイプ | より上の立場の人に共有 | 逆に出世のチャンス |
仕事ができすぎるタイプ | 数字やデータで根拠説明 | 身近なハイパフォーマー |
感情的で喜怒哀楽が激しい上司の対処法

感情的に接してくる喜怒哀楽が激しい上司は、自分の感情を整理し、言語化するのが苦手な人です。このようなタイプは、自分自身の気持ちが複雑に絡み合い、感情を整理して考えることが出来ていません。
そして、その気持ちの理由や根源的なものは何か、相手にどう行動して欲しいか、何をどう伝えたいかなど、自分自身の気持ちを言葉にできず気持ちがあふれてしまい、急に怒ったり、冷たく接してきたりします。
具体的な対処法
業務に必要な報連相以外は距離を取りましょう。機嫌よく話していたと思えば、急に機嫌が悪くなったりと、感情の起伏が激しい上司に付き合うのは大変なことです。
関わりを持つ時間は、機嫌のよい時など必要最低限にとどめておくことで、感情的な人から受けるダメージは最小限に抑えられます。
このタイプの動かし方
感情的になっている上司に、「いえ、そうではなくて」と反論しても効果はありません。それよりも、早急に問題解決することが重要です。そのためにまず、相手の話をしっかり聴くことです。それも聴いていることを全身で表す「傾聴」です。
嫌いな上司だからこそ、傾聴している様子を表すことで、無駄に会話の時間を伸ばさずに終わることも多いです。
感情的な上司は喜怒哀楽が激しいですが、表裏がない素直な一面もあり、仕事に一生懸命な人であることが考えられます。気持ちを言葉で表現するのが苦手な人なので、悪い人ではないのかも?
体育会系の上司の対処法

ことあるごとに「気合いで数字上げて来い!」「大丈夫だ、頑張ればいける!」と精神論で語ってくる体育会系の上司は、若いことに自分が育てられた環境を大切にしています。
集団生活を生き抜くには、体育会系のノリが役に立つ場合もありますが、今の時代には受け入れられない人が多いのも事実です。
私の経験談ですが、会社の飲み会が悲惨でした。取締役の一人が「ザ・体育会系」でビールの一気飲みを強要、そして残り物の食べ物は新人が必ず食べきらなくてはいけないという変な自分ルールを強要していました。
こっそり口に入れたものを、そーっと抜け出してトイレに吐き出して対処していました…。
具体的な対処法
ノリについていくのは正直シンドイ、という方も最低限、心を通わせましょう。
感情的なタイプと似ていますが、勢いで動くタイプなので、理屈や意見が通じません。データで分析した意見を述べても「やってみなけりゃ分からない」と一蹴されることでしょう。
単純な思考で判断することが多く、権威主義的な考えを持つ人間が多いため、味方はしっかりと守ってくれますが、敵と見られたらやっかいです。
部下の立場としては「報連相」を大切にして、上司のアイデアは素直に聞き入れ、上司の指示で失敗した時はその時で「だめでした!」と伝えるようにすると、「分かった、ありがとう。」と言ってくれるでしょう。
このタイプの動かし方
こういったタイプは強引な面はありますが、親分肌で頼りにされると、偉そうに振る舞いはするものの、やっぱり面倒見が良いです。
「一番頼りにしているのは上司のアナタですよ!」という姿勢をアピールすると良い関係が築けるでしょう。
強引で理屈が通じないもどかしさはあるものの、人情があり温かい面もあります。
馴れ馴れしい上司の対処法
それほど親しい間柄でもないのに、うちとけすぎて、ぶしつけな態度を取ってくる上司。「付き合っている人いるの?」「今度の休みは何するの?」と、プライベートなことを急に聞かれても困りますよね。
馴れ馴れしい上司はこんなことを考えています。
- 心の距離を近づようとしている
- 自分の派閥に入れようとしている
- 良きリーダーになろうとしている
対処法
上司の意見に流される、対立する意見があれば自己主張をしましょう。大げさに主張すると関係がこじれますので「私はこう思います」程度の主張でも問題ありません。
そうすることで、都合の良い部下として見られなくなるため、適度な距離感を保てるようになります。
このタイプの動かし方
馴れ馴れしいタイプは、自分を親しんでくれる部下を都合よく扱おうとします。
そのため、過度な敬語で「承知いたしました」や「申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします」といった言葉で対応すると、自分の派閥に属した都合の良い部下と認定されてしまいます。
フラットな関係にするには、適度な丁寧語でやり取りすると良いです。「お願いします」「ありがとうございます」といった、丁寧語で接してみてください。
上司もあなたのことを意思がある部下として認め、フラットな上下関係で接してくれるようになります。
馴れ馴れしいとは、親しみやすいとも言えます。ただ、距離感の測り方が下手な新米リーダーかもしれません。自己開示を進んで行っている上司であれば、あなたを大切にしようとしていると思います。
責任逃れをする上司の対処法

このタイプの上司は、手柄は自分の成果、そして失敗は部下のせいにする、というのがお決まりです。つまり仕事への熱意が欠けていて、上の立場に気に入られようと成績や評価ばかりを気にしています。
そのため、自分に都合が悪いアクシデントは責任逃れするのです。
対処法
個人としての愚痴を上司や他の人に伝えても信じてもらえない可能性があります。まずは同僚などに「先日はこのような言われ方をした」「上司の判断はどう感じるか」と事実を伝えて、共通認識を持つ仲間を増やします。
このタイプの動かし方
上司とクローズ環境で業務を進めると、都合が悪いことは責任を押し付けてきます。やり取りの履歴が残るようにメールで指示内容を送ってもらったり、社内SNS等でのやり取りをスクリーンショットで記録しておくようにしましょう。
こういった行動を日頃から行っている人だと認識してもらえば「下手のことは言えない」と感じてもらえるでしょう。
このタイプの上司が中間管理職であれば、上位管理職からの評価を恐れていますので、度が過ぎる場合は、共通認識を持つ同僚や、他の上司を巻き込み、日頃の言動を報告する場を設定しましょう。
良い一面は残念ながらありません。責任を取るのが上司の仕事です。ただ、言い逃れできない場作りをすることで、上司が良い方向に変化してくれる可能性はあります。上司を動かせると仕事も面白くなりますよ。
好き嫌いが激しい、そして態度に出す上司
若いリーダーや、上のポジションの欠員によって昇格した上司に良く見られます。
理想論で言えば、好き嫌いではなく、仕事の成果に対する評価を行うことですが、現実的には好き嫌いを態度に出てしまう人の方が多いはずです。
対処法
まだ未熟なリーダーであればこれからの成長を待つことも一つの方法です。しかし、そもそも品格が欠けている上司であれば、それこそ「右利き」を「左利き」に変えるくらい難しいことです。
どれも究極の選択ですが、対処法はこちらです。
- 上司が成長するのを気長に待つ
- あなたが気にしないように考え方を変える
- 人事異動を待つ
- 転職する
この中で一番カンタンなのは「2. あなたが気にしないように考え方を変える」ことです。
上司は好き嫌いで物事を考える残念な人なんだ、正当な評価はされないけど仕事が楽しめれば良いか、と割り切って考えると、心が軽くなります。
このタイプの動かし方
評価者の立場である上司が、部下を好き嫌いで判断しているようでは、まともな部下は育ちません。着いてくるのはご機嫌取りが上手な部下だけになってしまいます。
「責任逃れタイプ」と同じように、周囲を巻き込んで、より上位の管理者に事実を伝えて動かすのが一番はやい方法です。
好き嫌いが激しい人間は、直感で判断しています。
心理学的には直感は9割正しいと言われているので、仕事における直感は概ね正しい判断はできますが、それはどれだけ経験豊富かに左右されます。
経験が浅い人の直感ほど頼りにならないものはありませんのでご注意を。
仕事ができない上司
管理職の上司の仕事は次のようなことがあります。
- 目標を設定する
- 仕事の意義を部下に伝える
- スケジュールを管理する
- 部下を育成する
- 仕事の量を管理する
これらが出来ない上司は、力不足であることは否めませんが、あなたは、あなたの上司にどうあって欲しいと考えますか?
対処法
本来であれば、部下の考えを吸い上げるのが上司の務めです。部下の立場が「もっと仕事の振り方を考えてほしい」「休みが取りづらくて困っている」などと本音を話しづらい状況にならないよう、配慮しなければなりません。
上司の力不足は、その更に上の上司に報告して、配置転換を打診してみるのも良いでしょう。
このタイプの動かし方
管理職としての実力が足りず、周囲に迷惑をかけてしまう上司はいるでしょう。しかし考え方を変えれば、あなたの出世の可能性が広がります。
あなた自身がその上司よりも、「理想の上司像」に近い振る舞いを周囲に行うのです。周囲からの評判が上がることで、実力社会の会社であれば次の管理職はあなたです。
部下の立場としては働きにくいことでしょう。しかし、実力が伴っていない上司であれば、そこを追い抜くことができるチャンスでもあります。
仕事ができすぎる上司
恐ろしく仕事が早く、そしてミスがない人もいます。しかし、一流のプレーヤーが一流のマネージャーになれるかといったら別の話です。
人材開発を長年やってきましたが、一流のプレーヤーは「仕事ができない人の気持ちが分からない」です。
先程も言いましたが、上司の仕事は「部下の育成」も含まれます。自分が仕事できるからと言って、部下に仕事を任せない環境では、部下は育ちません。
対処法
あなた自身がどうなりたいかですが、成長を求めているのであれば、積極的に仕事を取りにいくことです。補佐役として十分と考えるなから、デメリットはありません。
しかし、会社が20年存続できる確率は52%というデータ(帝国データバンク)が取れているので、いつまでの今の会社で安心して働き続けられるかは考えた方が良いです。
このタイプの動かし方
仕事ができすぎる人は、一見害はなさそうですが、その上司から任された仕事ができなかった場合に「なんでできないの?」と問い詰められる可能性があります。
できない人の気持ちが分からないので、「何故できなかったか」の根拠を説明できるように準備しておくと理解してもらえます。
仕事ができる人は「数字」や「データ」など客観的に判断できる材料を好みます。営業職でいえば、売上達成できなかった理由、そして、できるようになるための解決策を提示するような習慣を身につければ多くの仕事を任せてもらえるようになります。
あなた自身が、仕事ができすぎる上司を好いているのであれば、プレーヤーとして見本になるところが多いはずです。ハイパフォーマーの行動習慣を真似することで、あなた自身がステップアップできます。
どうしても態度に出てしまう時の対処法

それぞれの対処法を説明してきましたが、すべてに共通している対処法はこちらです。
同僚や他の部署の上司に相談する
まずは一人で抱え込まず、身近な存在で頼りになる人に相談をしてみましょう。
人事担当者に相談する
人事担当者はキャリアコンサルタントの国家資格を持っている場合があります。人事で取り扱う機密情報・個人情報は、法的に守秘義務がありますので、安心して相談することができます。
転職を検討する
今の会社、仕事が好き!上司に仕えたい!という気持ちが揺れ動いているのであれば、転職も検討してみましょう。
今なら東京都の無料で手厚い就労支援サービスもあります。説明会にだけでも参加してみるのも良いかもしれませんね。

また、退職がスムーズに運ぶか心配な場合は、退職代行サービスも検討してみてください。未払い残業代の回収もできる弁護士運営の会社が安心できます。
退職代行ではトラブルもありますので、問題なく退職できる方法はコチラの記事で紹介します。

まとめ
この記事ではこちらを紹介しました。
- 7つのタイプ別上司の対処法
- タイプ別の良い一面
- 仕事で困ったことは一人では抱え込まない
- 守秘義務がある人事に相談してみる
- 転職することも検討する
上司のタイプによっては、あなたのチャンスにも繋がります。周囲を味方につけて、働きやすい環境を手に入れられるよう応援しています。
